ノルウェーでスキーを楽しむポースケ(イースター)休暇 その2

ノルウェー王国大使館のサイトに掲載されていた、ノルウェーでのスキーツアーの望月の記事をそのまま載せておきます。


第2話

前回、ラグスティンダーレンに到着するまでを書きましたが、イースター休暇の混雑も電車を一度降りてしまえばまったく気になりません。到着翌日はい よいよ山の中でスキーツアーの開始です。私は3日間、ツアーを楽しんできましたが、ここでは誌面も限られますので、まとめてご紹介しましょう。

クロスカントリースキーより少し幅の広いスキーと同じくクロスカントリースキーのブーツより少し固めのスキーブーツ、それにスキーの裏にすべり 止めのシール(化繊か毛皮)が一般的なスキーツアーの道具です。シールは場合によってはすべり止めワックスの時もあります。

1日に多い人では 15~25kmも歩くわけですから、スキーもブーツも軽く滑り易いものを使います。また背中の荷物もあまり重すぎると、疲れてしまうのでだいたい食べ物と 水か温かい飲み物と代えのウェア、防寒具、それに地図とコンパスです。山小屋から山小屋へツアーをする場合はこれに泊りの道具もいれるので10kg位にな る人もいるようです。

一つ面白い物をお見せしましょう。ノルウェーではとても一般的なチョコレート菓子クビックランシュ( KVIKK LUNSJ:英語で言うクイックランチ) の裏面です。

スキーツアーの時は必携?のチョコレートで、なんと年間生産数の25%がこのイースターの期間中に販売されるとの事です。さらにこの裏面に書いてあるのがスキーツアーのルート案内なのです。

いかにノルウェーの人々の生活にスキーツアーが入っているか良くお分かりになると思います。

 

この地図に書いてある山小屋のヤイテリゲヒッタ(Geiterygghytta)も私が泊ったラグスティンダーレンから15kmほど歩いたところに あります。ちなみにこの山小屋はノルウェートレッキング協会(DNT: Den Norske Turistforening)が管理をしていて冬から春にかけてのスキーシーズンとサマーシーズンにオープンしています。また食事も提供されています。

私はこの山小屋には泊らなかったのですが、山小屋から山小屋へのスキーツアーもたいへんポピュラーでぜひ一度ためして見たいと思っています。
さてツアーに戻りましょう。まずはどんなところをスキーツアーしているか写真をご覧ください。



この写真ではあまり人も写っていませんが、ラグスティンダーレンはヒッタも数多くあり、また山小屋(Raggsteindalen Hoyfjellstue)もありますので、スキーツアーの出発地としてポピュラーな場所です。

上の写真で木の枝が雪面にさしてありますが、これはノルウェートレッキング協会(DNT)などがスキーのルートに沿ってたてているものでです。 おかげでツアー中視界が不良になっても迷わないのです。日本ではあまりなのですが、実際山の中でツアーをしているものにとってはありがたいものです。こん なところでもノルウェーの人のスキーツアーにたいする熱の入れようを感じます。

もう少しツアーの写真をご覧頂きましょう。

 すべり止めのシールをスキーの裏に張っているので、登りもすいすいと歩けます。

ただ歩くだけではつまらないのでは?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。クロスカントリースキーほど軽く走るわけでもありませんし、アルペンスキーやテレマークスキーのように滑る事を楽しむわけではありません。が、なぜそれほどまでにノルウェーの人はこのスキーツアーを楽しむのでしょうか。


たしかな答えはわかりませんが、たぶんその理由はこの景色にあるのではないでしょうか。一見単調に思えそうな景色は時にドラマチックに変化し見るものの心を引 きつけます。また一つの山を越えた時に広がる新しい景色を見たいという欲求が歩を進めるのでしょう。15kmや20kmの距離もあまり気にならないのです。


クロスカントリースキーというとあまり若者がするイメージが無いのですが、イースターだからでしょうか、私のツアー中には若者に結構出会いました。グルー プで楽しみ人たちもいれば、カップルで楽しんでいる方もいました。もちろん、年配の方から子どもまで楽しんでいます。このあたりもノルウェーらしいです。


下の写真、左の女性は自分の犬に縄を付けて引かせていました。これだと楽ですね。

 

 子供たちが大人に引率されて山にクロスカントリースキーで登ってきていました。数年前から子供たちにクロスカントリースキーが一番すかれているという事を聞きましたが、これからもクロスカントリー王国の地位は当分揺るぎなさそうです。



 彼らも犬を連れていましたが、犬連れの確率はとても高いですね。イースターだから犬も家族の一員で皆と一緒に休暇を過ごすのでしょうか。

次回はノルウェーのヒッタをご紹介しましょう。
ではまた。

第3話へつづく  スキーを楽しむポースケ休暇 その3